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2019.9.19

富士吉田連載「この街の主役は、わたしたちだ」#007

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「富士吉田市で21年、
二人三脚でお酒と旨い食。」

 

「焼き鳥担当は主人で、一品料理と広報担当があたし。ね、“びんどマスター”(笑)」
ーーハツラツとした夫婦の談笑に、常連さんの笑いも有頂天になる焼き鳥屋〈びんど〉。天野賀世さんは、旦那さんと二人三脚で、10年以上に渡り、このお店を切り盛りしてきました。

賀世さんと旦那さんが一緒にお店を営むようになったのは、1998年のこと。富士見バイパス付近で飲食店〈びんど〉として開業し、10年後には「お酒と談笑が広がる毎日を、実家の近くで送りたくて」と、月江寺大門商店街にお店を移転することを考えはじめるようになりました。そんな二人の背中を押してくれたのは、月江寺大門商店街の老舗レストラン〈M-2〉のマスターでした。空き店舗を紹介してくれて、日曜大工好きのマスター自らが、木を基調とした内装の施工にも、腕をふるってくれたのです。そんなマスターの面影を思い浮かべながら、常連がこよなく愛する秘伝のタレを仕込む賀世さんは、つぶやきます。

「今のあたしの夢は、子どもたちがこの街を離れても、また戻ってこれる居場所を残しておくこと。〈M-2〉のマスターがあたしたちにそうしてくれたように。嬉しいことに、うちの子ども3人とも料理が好きで。この街でみんながやりたいことを仕事にしてくれたら、こんなに嬉しいことはないわね」

そんな想いを胸に、お店に立ち続ける賀世さんと旦那さん。二人を見守るように、〈M-2〉のマスターが手がけてくれた組子窓からもれる灯りが、今日も月江寺大門商店街のにぎわいを彩ります。

〈焼き鳥屋 びんど〉
〒403-0004 山梨県富士吉田市下吉田3丁目12-10


富士吉田連載「この街の主役は、わたしたちだ」

“街をつくるのは、人だ”


富士山の麓、雪どけの澄んだ水に恵まれて、機織りの街として栄えてきた山梨県富士吉田市。この街には、富士山0合目へと続く商店通りを中心に、人々の暮らしと営みが広がっています。富士山を目指す人々の羽を休める宿場として、機織りを営む人々の社交場として、あらゆる物語の交差が生まれてきたこの街では、今でもずっと、あらゆる出会いが生まれています。だけど、だからこそ、新しく引き継がれていく場もあれば、なくなってしまう場もあります。

そこで0555編集部は本連載を通して、この街で「場を営み続けてきた人たち」や「これから場を生み出していく人たち」を、いつまでも色褪せることのない街の記憶として記録し、新たな営みが生まれるきっかけを紡いでいくことにしました。この街に広がる「どこにでもありそうで特別な笑顔」は、これからもこの街をつくる唯一の主役です。みんなに会いに、富士吉田市に遊びにきませんか?


Writting & Photo : Reona Watanabe
Edit : Takashi Kobayashi